スタッフブログ!つむぎ内・外よもやま話

お湯屋で感じる京の歴史

2013年04月16日  文責:川口

自宅近くの銭湯へよく行きます。

残念なことに,年々その数は減少の一途を辿っていますが,
それでも,京都市内にはまだ多くのお湯屋が残っています。
(都道府県別の銭湯数では,5本の指に入るようです)
豊富な地下水があること,学生の街,
という点も,要因としてあるのかもしれません。

銭湯の醍醐味といえば,湯上り後のビール,
ではなく,建物のもつ歴史やスケールの大きさ
にもあるように思います。
高い天井に凝った絵が描かれているところもあれば
見事な欄間の意匠に目を奪われることもあります。

行きつけのお風呂は,なんと昭和3年生まれ(御年85歳!)の大きなお湯屋で
現存する戦前築の木造銭湯の中では,最大規模だそうです。
典型的な京都の銭湯の姿を完全な形で残している,という点が評価され
昨年,市民が選ぶ“京都を彩る建物や庭園”として選定されました。
こうした取り組みは,寺社のみならず,庶民の文化財を守るという観点からも
とても意義のあることだと思いました。

https://www.eonet.ne.jp/~hinodeyu/index.htm

このお風呂は,少し頑張れば京都駅から歩いても行けます。
(徒歩15分〜20分程度)
京都へ来られる際には,その貴重な建物を見がてら
お湯に浸かってみるのもまた一興かと。