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迎え鐘

2018年08月29日  文責:平野

今年の夏は全国で異常ともいえる暑さとなっておりますが、皆さま熱中症などで体調を崩されてはおられませんでしょうか。また、お盆休みはゆっくりと過ごされましたでしょうか。私もお盆に入る前にお墓参りを済ませ、ご先祖様をお迎えするための迎え鐘を撞きに行ってきました。

京都ではお盆にご先祖様の精霊をお迎えするために撞く「迎え鐘」があります。有名なのは六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)で、平安時代の宮廷官人、小野篁(おののたかむら)が毎夜この寺にある井戸から地獄へ通い、閻魔大王にお仕えしていたという伝説のあるお寺です。こちらの鐘は古来より、その音響が十萬億土の冥土にまで届くと信じられ、亡くなった人はその響きに応じてこの世に呼びよせられるといわれているそうです。

ただ、有名なだけに人出も半端ではなく、鐘を撞くまでには某テーマパークのアトラクションなみに並ばなければなりません。そこで同じく迎え鐘を撞ける、千本ゑんま堂(引接寺(いんじょうじ))へ行ってみました。こちらはご本尊が閻魔法王様で、とても大きな像が安置されていました。平安時代の朱雀大路北側に位置し、「化野(あだしの)」「鳥辺野(とりべの)」と並び篁卿(たかむらきょう)が定めた平安京三大葬送地の一つ「蓮台野(れんだいの)」の入り口にあたるため、現在でも多くの石仏群が出土するそうです。

実は恥ずかしながら、ただ鐘を撞けば良いのかと思っていたのですが、ちゃんとお迎えの仕方があるそうで、皆さんご先祖様の名前を書いた水塔婆(みずとうば)を手に、きちんとお参りされた後、鐘を撞いておられました。そんな中、自分の不勉強を恥じつつ、でもちゃっかり鐘だけは撞いてきた私なのでした(笑)。
写真はこちら
https://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20180829.html