スタッフブログ!つむぎ内・外よもやま話

紅葉の金戒光明寺

2019年11月27日  文責:平野

朝晩はめっきり冷え込む日もあり、いよいよ「晩秋」という言葉がふさわしくなってきました。そろそろ京都市内の紅葉も見頃かと思い、今回は岡 崎にある金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)へ行ってきました。ちょうど秋の特別公開の最中で、普段は上がれない山門にも上がることができ、楼上からは市内を一望することができました。残念ながら写真撮影は禁止されていて、せっかくの眺望を皆さんにご覧いただくことはできなかった のですが、ガイドさんのお話では、空気の澄んだ晴れの日には、大阪あべのハルカスまで見えることもあるそうです。また、山門の天井一面には「蟠龍図」が描かれており、釈迦三尊像と十六羅漢像が安置されています。この金戒光明寺は、浄土宗の開祖である法然上人が、比叡山の修行を終えて初めて庵を結んだ言わば「日本の浄土宗の真のはじまりの場所」という意味のあるお寺だそうです。敷地内にはたくさんのお墓があり、その中
になんと、髪がアフロのような仏様がおわしました。五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏というお名前で、通常の阿弥陀仏と違い、頭髪(螺髪【らほつ】)がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。五劫という気の遠くなるような長い時の中、もろもろの衆生を救わんと、ひたすら思惟を
こらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子をあらわしたものだそうです。全国でも16体ほどしか見られないお姿ですが、この金戒光明寺の五劫思惟阿弥陀仏は、石で彫刻された石仏で、特に珍しいと言われています。師走の足音がもうすぐそこまで来
ているようなこの季節。せわしない年末を前に、時にはゆっくりと過ぎ行く秋のひと時を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20191127.html

時代祭

2019年11月05日  文責:平野

京都三大祭りの一つ、時代祭。この時代祭は、平安神宮の創建と平安遷都1100年記念祭を奉祝する行事として、明治28年に始まりました。当時の京都は、明治維新や事実上の東京遷都によって、著しく活気を失っていたそうです。そんな京都の町おこし事業の集大成として平安神宮が創建され、その時の市民の熱い思いを象徴するものとして、この時代祭は始まりました。毎年10月22日に行われていましたが、今年は新しい天皇陛下の即位礼正殿の儀が行われるためそれを考慮し、26日に日にちをずらして行われました。実はこの10月22日という日は、桓武天皇が長岡京から平安京に都を移した、言わば京都のお誕生日とも言える日なのだそうです。そしてこの時代祭の行列は、京都市全域からなる市民組織「平安講社」によって運営されています。京都市内にある旧学校区を11グループに分け(11社)、明治維新時代、江戸時代、安土桃山時代、室町時代、吉野時代、鎌倉時代、藤原時代、延暦時代の各時代を20の行列に分けて1列ずつ担当しているそうです。また、江戸時代婦人列、中世婦人列、平安時代婦人列は京都の五花街が輪番で奉仕するなど、総勢で約2000名もの人々が参加する一大行列となっています。行列の人が身に着ける衣装や祭具の一つ一つは、厳密な時代考証をもとに作製されているそうで、この時代祭の行列はさながら生きた時代絵巻と言えるでしょう。
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http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20191105.html