つむぎのお役立ち情報

森智勝先生の「もりもり元気レポートNo.11」

2008年02月29日

 3月、各塾では受験の終盤と新規募集および新学期の準備で最も忙しい時期を迎えていることでしょう。そうした中、塾に関連したニュースがマスコミを賑(にぎ)わせています。

 1つは「週刊ポスト」に掲載された「大手進学塾が小学生を『営業マン』に仕立て上げている!」です。秀英予備校が講師の研修用に作成したビデオの中に、生徒に友達を勧誘してくるように促すノウハウを実演形式で収めていることを問題にしています。小見出しは「塾に勧誘の成績グラフを張り出す」「1人紹介すると図書券500円プレゼント」「そして問題のビデオでは生徒たちへの『指導方法』がこと細かに解説されていた」「月に1万5000円稼ぐ生徒も」「内申点まで引き合いに出し…」「他の塾でもやっている」等々、センセーショナルな言葉が踊っています。冠文は「お受験狂想曲の実態はこれだ−衝撃ビデオ入手」です。

 いやあ、さすがプロの出版社?上手いものです。しかし、感心してばかりもいられません。昨年、京都の大手塾で起こった講師による塾生殺害事件では、当の塾より中小塾が大きな影響を受けたことは記憶に新しい。あなたの塾が同様の目で見られているとも限りません。 すぐに対策を採ってください。

 以前から言っていることですが、子供に紹介を依頼するのは間違っています。なぜなら塾にとって子供は「顧客」ではないからです。塾にとっての顧客は「保護者」です。ですから、紹介依頼は保護者を対象にして行なわなければなりません。子供を対象にすると、今回の記事のように反感を買うことになります。

 もう一つのニュースは学研の子会社で学習塾を経営する「学研ジー・アイ・シー」と関連企業の「学伸舎」が、特定商取引法違反(不実告知など)に当たるとして経産省から業務停止命令を受けたものです。
 社員が電話勧誘で「1対1で個別指導をする」と偽って受講を勧誘、さらに実際にはほとんど使わない教材を約50万円で購入させていたものです。まったく、学研の看板が泣きます。

 どうも塾業界に逆風が吹いているようです。「あなた」は塾経営の王道を堂々と歩き、子供たち、地域に貢献することで堂々と利益をあげてください。いつの時代でも正々堂々の姿勢が最も支持されることに変わりはありません。今年度の健闘を期待しています。