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森智勝先生の「もりもり元気レポートNo.15」

2008年03月06日

 夏期講習、真っ最中…あるいは、つかの間の盆休みでしょうか。
暑中お見舞い申し上げます。
 
 さて、今月の「元気レポート」は閑話休題。気楽にお付き合い下さい。
 
 今年は例年になく遅い梅雨明けでしたね。芭蕉の有名な句に「五月雨を 集めてはやし 最上川」がありますが、この「五月雨(さみだれ)」は梅雨のことです。
今は太陽暦を採用していますが、明治になるまでの日本は太陰暦で過ごしていました。ご存知のように、今の暦と旧暦との間には1ヶ月以上のズレが生じています。現在の七夕(7月7日)は雨季のど真ん中にあるため、天の川を拝めることはめったにありません。しかし、以前は「夏の終り」の行事でしたから、毎年のように天の川を見ることができたのです。
 
 ちなみに、「さみだれ」は「さ−乱れ」で、「さ−倉」(桜)、「さ−乙女」(早乙女)と同じ構成の言葉です。「さ」とは神様のことです。
 
 今の時期は満天の星空ですが、不思議なことに昔の日本人は「星」に興味を持ちませんでした。ギリシャや中国では星にまつわる神話(七夕物語は、もちろん中国からの輸入)が数多く作られているのですが、不思議なことに古事記、日本書紀をはじめとする古代文献には星の記載がありません。世界中の民俗学者が奇妙に思い、「日本人は夜空を見上げなかった」と評しています。実際、日本の風流を「花鳥風月」と言い表しますが、目に見えない「風」は入っているのに、「星」はメンバーに入れてもらえません。短歌や俳句の題材に星が登場することもありません。考えれば考えるほど不思議な現象です。
 
 私のセミナーに参加された方はご存知だと思いますが、私は大の歴史好きで、セミナーのマクラには歴史ネタを持ってくることがほとんどです。
悠久の時の流れに思いを馳せると、今の自分の悩みなど「ちっぽけ」なものに感じてしまいます。私のご先祖様が明治維新の時も、関が原の合戦の時も、卑弥呼の時代にも存在していたと思うとワクワクしてしまいます。
 
 宇宙の年齢と比べると、2000年などは本当に短い時間です。(ちなみに、宇宙の誕生日を1月1日午前0時とすると、キリストの誕生日は12月31日午後11時59分47秒になるそうです。)つまり、ほぼ今と同じ夜空が2000年前にも見えていたはずです。でも、彼らは星を見なかった…。
 
 もし、「あの世」が存在し、そこでご先祖様とお話ができるのならば、ぜひ、理由を聞きたい。それどころか、「邪馬台国はどこにあったのか」「龍馬を暗殺した真犯人は誰か」…もう、聞きたいことだらけです。まあ、死んだ後の楽しみ?にしておきましょう。
 
 さて、最多忙期の夏休み。たまには夜空を見上げて悠久の時を感じてみませんか。きっと明日への活力が湧いてくることでしょう。そして、残された夏期講習を全力で駆け抜けてください。今の「がんばり」は必ず来春の募集状況に大きく貢献します。健闘を期待します。