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森智勝先生の「もりもり元気レポートNo.21」

2008年03月06日

 塾の現場では受験本番と同時に、春期の募集が本格的に始まっています。正に正念場です。塾が見込み客を集めて顧客にする過程は、主に次のようになります。
 
(1) チラシ(ホームページ)→(2) 電話の問い合わせ→(3) 面談→(4) 体験授業→(5) 正式入塾
 
 今回は「電話対応」についてお話します。チラシを見て興味を持った保護者(主に母親)は、電話で問い合わせることになります。ここが塾とのファースト・コンタクトです。
 
 「人の印象は見た目が90%」という言葉があるように、実際に会う場合は「身振り」「手振り」「表情」等を合わせて伝えることができますが、電話の場合はそうはいきません。つまり、あなたが気付かないところで相手に誤解を与えている可能性があるのです。(これを逆手にとって大繁盛?しているのが「振り込め詐欺」です。)
 
 まず、誰が電話に出るかが重要です。保護者は「電話に出た人がその塾を代表している」と考えています。たとえ、新人社員やバイト学生が受話器を取ったとしても、相手には関係ありません。そこでの対応を誤ると見込み客を逃してしまいます。塾に電話を掛ける人は、他にも2〜3件は電話を掛けているものです。
 
 電話対応の教育は必須ですが、できるだけ塾長、教室責任者が受話器を取りたいものです。
 
 次に重要なことは「はい、○○塾です」の第一声です。最初の印象で全てが決まると言っても過言ではありません。受話器からマイナスのエネルギーを感じると、人は早く電話を切りたくなります。一呼吸置いて、笑顔で(もちろん、相手には見えませんが…)第一声を発しましょう。最初に好印象を与えれば、以後のやり取りは上手くいきます。
 
 問い合わせに対して答えた後に、絶対に必要なことは「相手の問題点」を聞きだすことです。塾に電話を掛けてくるということは、何か問題点を抱えているのです。
 
 その問題の解決法が必要だから塾に頼ろうとしているのです。しかし、最初から「悩み相談」を持ちかける人はいません。当たり障りのない質問をしてきます。どうすれば良いか。簡単です。塾側から聞いてあげれば良いのです。「こうして塾をお探しということは、何か子供さんの勉強にご心配な点でも…」
 
 そうして初めて「実は…」と、本当の「悩み」を話し始めます。そこで「共鳴」と「期待感」を与えることが、電話対応の本来の目的です。「この塾は問題解決法を与えてくれるかもしれない」と思ってもらうことです。そのプロセスを経ずに来塾を促しても、人は次の行動に移してはくれません。
 
 姿が見えないからこそ、電話対応は難しく、そして重要なのです。
 電話の向こうにいる保護者は、重要な見込み客です。たかが電話と疎かにしませんように。