つむぎのお役立ち情報

「ドクター森」の塾経営クリニックNo.3

2008年03月06日

Q)自学自習を中心とした学習塾を立ち上げようと思っています。講師はファシリテーターとして「教える」よりも、「コーチ」にウエイトを置いていきたいと思っています。サービス内容が「講義」から、「学習管理」に大きく転換しますので、既塾生を上手く誘導できるか、また地域に認められるか心配です。何かご助言がございましたらお願いします。

 
A:なぜ「集団ゼミ形式」から(だと思うのですが)「自立学習形式」へ転換されるのでしょうか。その理由、大儀をしっかり説明して納得してもらうことです。
 
 当然、その方が子供達の学力向上に有効だと考えるからですよね?そのことを塾生に保護者に地域に発信しましょう。大丈夫です。既塾生とその保護者は先生を信頼しているから塾に来ているのです。その信頼する先生の考えならば、必ず理解してくれます。熱く語って思いを伝えてください。
  
 こうした改革をするときは、「塾生の半分が退塾してもいい」という覚悟がなければなりません。本当に正しいと信じたことを実行するときは。そして、残ってくれた方に「ああ、この塾に残ってよかった!」と思ってもらうことです。3ヶ月です。改変後3ヶ月に全てのエネルギーを注いでください。新学期最初のテストで圧倒的な成果を作りましょう。そうして初めて「この塾を信頼してよかった!」と思ってもらえます。そこから口コミと評判は生まれます。
  
 前回、授業料の値上げについてお話しましたが、ほとんどの中小塾は変化に対して臆病になっています。なぜなら、現状維持が最も楽だからです。楽な道を選んでいては進歩はありません。今回のご相談者も不安を述べられていますが、当然です。変化をする、つまり冒険をする理由はいつでも不合理で、冒険をしない理由はいつでも合理的だからです。全ての冒険者が新大陸へ到達したとは思えませんが、コロンブス、あるいはアメリゴは冒険の決意をしたからこそ歴史に名を残したのも事実です。
  
 ここで、ぜひ考えていただきたい。読者である「あなた」は既に独立開業という冒険へと旅立ってしまっているのです。好むと好まないに関わらず。あなたには冒険をし続ける義務と責任があります。そして同時に、その資格も持っています。
 
 質問をされた先生、自信を持って(あるいは虚栄を張って?)言いましょう。「私の方針を信頼してください」と。あなたの塾の新しい可能性は必ず拓かれます。
  
 ダーウィンは進化論で述べています。「生存競争を勝ち抜くのは最も強い種でも最も賢い種でもない。変化に対応できる種である。」私は先生の「変化の決断」を支持します。がんばってください。