つむぎのお役立ち情報

「ドクター森」の塾経営クリニックNo.11

2008年03月06日

Q)森先生のセミナー案内に「熱心な塾ほど成績上位者の退塾率が高い」という表題がありました。当塾も「この地域から全国・世界に通用する人材を育てる」が目標ですが、「結果的に低レベル層にセグメント」となっているのです。この理由等を含めて解説をお願いできないでしょうか?よろしくお願いします。

 
A:先生の教室では次のようなことになっていませんか?
 理解の早い生徒、真面目な生徒は手が掛からないので、どうしても「できない生徒」「おおちゃくな?生徒」に時間を取られている。延長授業・居残り授業をしている子供は「できない生徒」ばかりとなっている…。「できない子をできるようにするのが塾の役目だから、そんなことは当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、冷静に考えてください。同じ授業料をいただいているのに、ある一定の子供(この場合「できない子供」)にだけ多くの教材、多くの時間、多くのエネルギーを消費することは、他の子供に対する「逆差別」になっているのです。優秀な彼らは大人しいので表立って苦情は言わないかもしれませんが、心の中で「ここは私のための塾ではない」と思っています。そして、何かをきっかけとして退塾していく…。より自分に相応しい塾へと移っていく。先生が「良かれ」と思って身を削ってやっていることが知らず知らずのうちに逆効果を生んでいることがあるのです。
 
 結果、低レベルの生徒だけになり「そうした低レベルの生徒に熱心な塾」という評判が次の「低レベル生」を連れて来る…その悪循環です。しかし、「出来ない子を何とかしてあげたい」という情熱(これは大切でけっして否定するものではありません)が邪魔をして、その悪循環に気付かないのです。
 
 本来、成績優秀者を集めたいのでしたら、入塾基準を厳格に守り、そのレベルに達していない生徒はお断りする覚悟が必要なのですが、せめて、低レベル生に掛けるエネルギーと同等のエネルギーを高レベル生にも掛けなければなりません。本当の意味での「平等」とはそういうことです。